優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。
――
今日は第二回目の水泳がある。一回目は水温が低くてできなかったけど、今日はできる。
やっと塩素の匂いを楽しめるのだと思うと少し楽しみだ。
「まじでねえわ。朝から、まじ凹んだ」
「うける。も一回見せてよ」
少しだけ早く登校すると、すでに紗矢と陣之内くんが携帯を覗き込みながら歩いている。
携帯は禁止なのに、登校しながら携帯を出している当たり、二人はやっぱり度胸がある。
これぐらいで怒られても怖くないってことなのかな。
声をかけようか迷ったけど、紗矢の方を見て笑う陣之内くんを見て下を向いてしまった。
昨日、あの唇が私に触れた。
そう思ったら、直視できなくて逃げた。
「お、蕾じゃん。おっはよー」
「ほんとうだ。おはよー、ちょっと聞いて」
紗矢と陣之内くんが立ち止まって私を待ってくれている。
ので逃げるわけにはいかずに急いで走って近寄った。
「あの、お、おはよう」