優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。
タイトルは慌てていたので英数字の羅列になってしまったのが悔やまれる。
これ、名前を変えるにはどうしたらいいのかな。
もう少しパソコンで弄りたかったけれど、とうとう古いノートパソコンは熱くなって変なモーター音もし出した。どうやらここまでのようだ。
「でも結構進みましたよね」
「うん。急いで優大くんに見せてくる……っと、依頼されたから、見せるんだからね」
自分でも驚くぐらい浮足立っていたので、ううんっと咳祓いしてもっともらしい理由をつけて、そう言った。が、にやにや笑う百合ちゃんの顔を見たら、無駄な努力だったとわかった。
*
18時に終わると言ったくせに17時を少し過ぎた時間。
もし優大くんが図書館で本当に勉強していたら、邪魔してしまうかもしれない。
そう思い、こっそり図書室へ入る。
図書室では、数人の生徒が読書や勉強をしているだけで、しいんと静まり返っている。
流石に優大くんでも、図書室では静からしい。
うちの図書室は、教室二つ分ぐらいのスペースに、埃かぶった木材で作られた背丈より高い本棚が壁に並んでいる。本棚がたくさん並んでいるので、実質は教室一つ分ぐらいの空間しかないので、そこまで広くはない。