優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。
二度目のキス。
二度目のキスは、――下校五分前の慌ただしい中、静寂した図書室で。
少し顔を傾けて鼻が当たらないようにしてくれたので、深く長く唇を重ねられた。
一度目の失敗を生かして、リードしてくれたのには感謝だけど、でも私の頭の中は緊張と恥ずかしさから爆発しそうだった。
そのまま心臓が爆発して、夜空のお星さまの一つになってしまいそうだ。
終わった後にそう言ったら、彼が転がるように爆笑して「わかる、俺も」と、ドキドキして熱い手を差し出してくれたのだった。
その日の帰り道は、全てが初めて見る色と、声と、景色だった。全てが色鮮やかに見えた。私と優大くんの影が、寄りそって長く長く道に伸びるをの、照れくさく思いながらも手を繋いだ。
「俺、やっぱ転校したくねえわ」
「うん」
「だから頑張る。彼氏として俺、頑張るわ」
「彼氏?」
聞きなれないワードに変な汗が噴き出てきた。
そんな甘い言葉、私の脳内辞書にはどこにも載っていない。
「彼氏じゃないの? 俺」