優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。
「うん」
私は、彼のノートの落書きされてしまう上の部分に、テストに出る公式や単語を先回りして書くことにした。そうすれば落書きはできないし、授業中に見直せれる。
なので、私のテスト勉強にもなるので、真剣にやってるから話しかけてほしくない。
「全教科、写し終えたらご褒美頂戴」
「ご褒美って……お金ならないけど」
「んーん。眼鏡外してからすること」
教科書を開いて、手で抑えながら私の顔をにやりと見る。
うー。いつでもするくせに。いや、最近は勉強ばっかでしてなかったけど、でもご褒美じゃなくてもするくせに。
「……頑張ってくれたら、です」
「うぉーし! 頑張る。頑張っちゃうぞ」
本当に大丈夫なのかな。分数の掛け算で足し算してしまう彼に、不安しかない。
でも優大くんに教えることで、私にも復習になっているから大変だけど私にもプラスの時間だった。