優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。

私たちは英単語の問題を出しながら、次のバス停まで歩いていく。

するとトラックが私たちの横をすり抜けて、道を阻むように止まった。


運転席の窓が開くと、優大くんが私を背中に隠してくれた。


緊張感が走る――と思ったけどトラックから顔を出したのは優大くんのお父さんだった。


「お前なあ、お前と違って津田さんは女の子なんだぞ。こんな時間まで連れまわして」
「なんでここに来たんだよ」

「津田さんの親御さんから連絡いただいたんだ。向こうが迎えに行きましょうかって言ってきたから、俺が来た」

「……なんで来ちゃうんだよ。空気読めよ、帰れ」
「空気を読んだことがねえ、ガキが何を言うか」

おじさんは車から降りて、私を見降ろす。それが怖くて優大くんの後ろに再び下がると「可愛い」と言われてしまった。

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