優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。




「優大―! 隣の学校にイケメンが居たらアドレス教えてねーっ」
「可愛い子がいたら、紹介しろよー」

「お前ら、俺とのお別れをもっと寂しがらんか!」

見送りに来たクラスの皆を怒鳴りつつも、今日も優大くんは嬉しそうだった。

トラックの荷台に空き缶をひもで結びつけられた男子たちは、おじさんに叱られていたけど、私たちが早起きして作ったおにぎりとウインナーは喜んでもらえた。

「家はさあ、ばあちゃんの家だから残しとく。で、長期休みになったら掃除しに帰ってくるから」
「うんうん」
「お前らはいいな、受験生なんだ。蕾に言い寄ったりすんなよ」
「心が狭い」

 男子たちに爆笑され、荷台から飛び降りて喧嘩し出して、おじさんが一人ひとりちぎっては投げて、ちぎっては投げてけんかを止めていたのは大変そうだった。

 皆の寄せ書きと、皆でお揃いのシャーペンを購入した。
 これで試験を受けようって約束するため。
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