優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。
「これこれ、俺の書いた小説。これ、ランキング二位なの。やばくね?」
「……小説?」
「携帯小説。俺が書いてるの。やっぱ何しても俺ってできるっていうか、天才って言うの? ニケ月で漸く二位になったっていうかさ」
「『早乙女瑠偉』?」
「俺俺、女みたいな名前ってウケるじゃん?」
「『死んでも死んでも、死にきれねえぜ』?」
「かーっと。タイトル口に出すなよ! 恥ずいじゃん」
「あ、ごめん」
陣之内くんでも恥ずかしいという感情があるのに驚く。さっさと携帯を戻すと、彼はその携帯小説の表紙を私に見せてきた。
「これさ、サイトのフリー表紙なんだよ。こっから好きなボタン押して色を決めるって感じ。ホラーだから黒かなって黒いの使ってるけど、地味じゃん?」
「……確かに」
「一位のこの小説、イラストレーターの友人に描いてもらってんの。ずるくね?」
携帯をスライドさせると、ランキング一位の人は売ってる本みたいに本格的な表紙で、悍ましい形相の幽霊から男女の高校生が逃げている。
人物も可愛いし表紙もデジタル加工していて怖い。読者数も倍近く違うし、これが雲泥の差ってやつなのかな。
「で、うちの学校で一番イラストが上手いのって、津田だろ? ホラーな絵を描いて欲しいんだ。こう、ごわわーっとしててらてら血に濡れて」
「……小説?」
「携帯小説。俺が書いてるの。やっぱ何しても俺ってできるっていうか、天才って言うの? ニケ月で漸く二位になったっていうかさ」
「『早乙女瑠偉』?」
「俺俺、女みたいな名前ってウケるじゃん?」
「『死んでも死んでも、死にきれねえぜ』?」
「かーっと。タイトル口に出すなよ! 恥ずいじゃん」
「あ、ごめん」
陣之内くんでも恥ずかしいという感情があるのに驚く。さっさと携帯を戻すと、彼はその携帯小説の表紙を私に見せてきた。
「これさ、サイトのフリー表紙なんだよ。こっから好きなボタン押して色を決めるって感じ。ホラーだから黒かなって黒いの使ってるけど、地味じゃん?」
「……確かに」
「一位のこの小説、イラストレーターの友人に描いてもらってんの。ずるくね?」
携帯をスライドさせると、ランキング一位の人は売ってる本みたいに本格的な表紙で、悍ましい形相の幽霊から男女の高校生が逃げている。
人物も可愛いし表紙もデジタル加工していて怖い。読者数も倍近く違うし、これが雲泥の差ってやつなのかな。
「で、うちの学校で一番イラストが上手いのって、津田だろ? ホラーな絵を描いて欲しいんだ。こう、ごわわーっとしててらてら血に濡れて」