優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。

『死んでも死んでも死にきれねえ。 早乙女瑠偉

 連載休止のおしらせ。

 早乙女瑠偉は受験のためにしばらく小説をお休みいたします。彼女とも会えない状況で、まずは勉強に身を入れます。楽しみにしていた皆さまには心苦しいのですが、お詫びに今まで殺した理不尽な大人たちを復活の呪文で生き返らせておきます』

そう更新ページでお知らせしてしまったので、コメント欄が荒れたのは言うまでもない。

語彙もないし、文章もおかしいし、唐突に理不尽な人間を殺すホラー小説だったけど、二位にまでなれたのは、彼の繊細な心を吐露していたからだと思う。

理不尽に負けて理不尽を受け入れて大人になろうとしている彼には、しばらく心を吐き出せる小説は必要ないのかもしれない。


 胸を締め付けられる恋だった。
 大人はちっぽけだと笑う恋だった。
 時間が経ったら、子どもっぽいと笑われてしまう恋だった。

 その瞬間は、私たちは真剣で、私たちは悩んでいて、私たちは永遠の別れのように辛い選択だったのに。

 大人は笑うんだ。『子供の視野は狭くて、いいね』と。
 大人になって笑っていいのは、悩みぬいた私と彼だけなのに。
 そんな風に馬鹿にされてしまうような、悩み。

 私と彼の、小さな世界での悩みだと否定される、小さな恋。

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