優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。
紗矢ちゃんが耳に髪をかけながら、隠れたピアスホールを見せてくれた。
確かにパッと見は分からない。けれど紗矢ちゃんは地毛の髪も毎回念入りにチェックされるし、スカートも短いって引っかかるし、指も透明のネイルを塗っていて怒られたりする。
「ね、髪やっぱ結んだ方がいいかな。ゴム貸してよ」
「え」
「三つ編み止めてポニーテールにすればいいじゃん。お揃いにしよ、ほら早く」
半ば強引に三つ編みを解かれてしまい、仕方なくもう一つの三つ編みも解く。
同じポニーテールは、華やかで可愛い紗矢ちゃんと比べられそうなので、後ろに一つで三つ編みに編み込む。
廊下はざわめくクラスメイトの声の中に、プールから塩素の匂いが漂ってきている。この匂いが嗅ぐと、ああ、やっと夏だなと感じる。
「三年になって初めての服装検査じゃん? 絶対に評点に影響あるって皆言ってたよ。まあだからって私の二年間がチャラになるわけじゃないけどさー」
確かにパッと見は分からない。けれど紗矢ちゃんは地毛の髪も毎回念入りにチェックされるし、スカートも短いって引っかかるし、指も透明のネイルを塗っていて怒られたりする。
「ね、髪やっぱ結んだ方がいいかな。ゴム貸してよ」
「え」
「三つ編み止めてポニーテールにすればいいじゃん。お揃いにしよ、ほら早く」
半ば強引に三つ編みを解かれてしまい、仕方なくもう一つの三つ編みも解く。
同じポニーテールは、華やかで可愛い紗矢ちゃんと比べられそうなので、後ろに一つで三つ編みに編み込む。
廊下はざわめくクラスメイトの声の中に、プールから塩素の匂いが漂ってきている。この匂いが嗅ぐと、ああ、やっと夏だなと感じる。
「三年になって初めての服装検査じゃん? 絶対に評点に影響あるって皆言ってたよ。まあだからって私の二年間がチャラになるわけじゃないけどさー」