優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。

 百合ちゃんはパレットの中に青色の海を作った。

昨日見た、紗矢の涙みたいに綺麗な青色の海。

「でも大人が作り上げた姿の中に、私らしさがないってことなのかな」

「あ、それありそう。部長は言われたとおりのことしかしない感じ。何をするにも楽しくした方がいいじゃないですか。絵だってそうでしょ。星がテーマでも、自分の好きな要素いれないと描く気おきなくないですか?」

 そういって百合ちゃんは、コンテストで入賞した星の絵に海を描いていた。
 海に映えた月と星。百合ちゃんは好きな要素も取り入れて絵を楽しく描いている。

 私は星って描いたことなかったし、ブラシで真っ暗に塗ったキャンパスに星を描くのが楽しかった。

「部長はペンタブで絵を描くんですか?」
「う、うん。ちょっと楽しみ!」

「――私は、水彩の淡い感じをどうしてもデジタル加工したくないんです。ペンタブをバカにしてるって意味じゃなくて、筆で描かなきゃ嫌ってこだわりみたいな」

百合ちゃんは、貰ったペンタブをどうしようか困っているという。
貰ったのに、技術向上に使わないといけないのか、嫌々使うのも違うかなとか。

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