【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
今年もひとり、おんぼろアパートで過ごすと思っていたクリスマスは、あの超高級マンションで過ごすことになるだろう。しかもたぶん、真澄さん付きで。
彼女もいないと言っていたし、何しろ彼は私のことが好きと言っている。そんな彼が、クリスマスに他の誰かと過ごすとは考えにくい。
「今年はぼっちなクリスマスじゃないのが不安と言うか、どうしたらいいのかと思って」
「ぼっちじゃないから楽しいんじゃない。一人より二人。蘭子も経験すれば、その意味がわかるわよ」
「一人より二人って……」
「もうゴチャゴチャ言ってないで、クリスマスプレゼントくらい用意しておきなさいよ。じゃ、お先に」
乙葉さんはわたしの頬にチュッとキスをして、ロッカールームから出ていった。
「クリスマスプレゼントなんて、何を買えばいいのよ」
ボソッと小さく呟いた言葉は、薄ら寒いロッカールームに吸い込まれるように消えていく。
誰がこんな展開になると想像できただろう。
今度は重い深い溜息をつくと、おもむろにスマホを手にし真澄さんにメールを送った。