【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
愛華総合病院の土曜日は、一般診療はない。診療予約や検査予約の受付だけを扱っている。
平日ほど患者さんの数は多くはないが、面会やお見舞いの人たちも多く、ロビーには人が多く集まっていた。
「蘭子ちゃん。ちょっと内科に行ってくるから、ここお願いしてもいい?」
「はい、わかりました」
何か不備があったのか、内科受付に呼ばれたのだろう。会話もそこそこに園枝さんは走り出すと、あっという間にエレベーターホールへと消えていった。
今日のシフトは五人体制。年内最後の土曜日ということもあって検査の予約も多く、園枝さんをはじめ中堅どころが出勤している。もちろん乙葉さんも一緒で、顔を合わせては「愛川先生がいなくて残念ね」とからかわれるから、少々面倒くさい。
「ところで、クリスマスプレゼントは決めたの?」
受付が一段落したのを見計らってか、近づいてきた乙葉さんが私の肩を突付く。
「決まってませんよ。っていうか、そもそも何を買えば良いのかわからないのに、決まるはずないじゃないですか」
受付が一段落したとはいえ、まだ勤務中。乙葉さんに顔を寄せ小さな声でそう答えると、彼女は呆れたように溜息をついた。