【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
幸と禍は隣り合わせで
翌日、二十四日の月曜日。午前六時半──。
日の出の時刻まではまだ少しあるが、空は明るくなり始めている。
今朝は真澄さんの車で一緒に出勤すると、人の目をかいくぐり大きな窓の前のいつもの定位置にふたり並んで立った。
「やっぱり、ここからの眺めは格別だな」
「そうですね」
わたしはいつもの通り、朝イチの澄んだ空気を大きく吸い込むと、それをゆっくり吐き出した。頭の天辺からつま先まで浄化されたようで、体も心も清々しい。
とは言っても、それで体の痛みが消えるわけではない。
朝から体中あちこちが痛い。腰をさすりながらチロリと隣りにいる真澄さんを盗み見れば、わたしとは正反対に余裕綽々の表情で景色を眺めていた。
健康優良児のような真澄さんが恨めしい──。
結局昨日は、ほとんどの時間をベッドの上で過ごしてしまった。しかも一日中、裸の状態で。
最初はそんな一日の過ごし方があるのかと戸惑うばかりで、服が着たいと懇願したが『どうせすぐに脱ぐんだ。必要ない』と呆気なく却下。外はいい天気だというのに部屋の中に閉じこもっていては不健康だと訴えれば、『ふたりで汗をかくほど動いているのに、どこが不健康なんだ? それとも、俺に抱かれるのがそんなに嫌なのか?』と悲しい目を向けられる始末。