【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
マンションで一緒に暮らしてる大人な真澄さんからは、想像もできないような安易な作戦に、苦笑いしか出てこない。もっと他に、スマートで大人な作戦があったんじゃない?
まあそんな安易な手に、まんまと踊らされていたわたしも、どうかと思うけれど。
「わたしは真澄さんの罠に引っかかった、ということですね」
「どんなことでもいい、蘭子と繋がりが欲しかった。直球でぶつかっても、蘭子は落とせないって思ってたしな」
「確かにチャラ男の真澄さんが直球できたら、即お断りしてました」
「だよな……」
あからさまに落ち込む真澄さんの左手に、誰かに見られないようにそっと触れる。それなのに真澄さんときたら、腰に手を回し入れて引き寄せたかと思うと、そのままわたしをすっぽり抱き包んでしまう。
「ま、真澄さん、ここ病院ですよ!?」
慌てて真澄さんの腕から抜け出そうとしても、ギュッと抱きしめられているから容易に動けない。
こんなところを誰かに見られたりでもしたら……。
包まれている腕の中から真澄さんを見上げるが、どうやら焦っているのはわたしだけみたいだ。
「大丈夫だから、黙って」
彼の落ち着き払った声に、慌ただしかった心が落ち着きを取り戻す。