【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
でもやっぱりここは病院内で。プライベートと仕事はちゃんと分けたほうがいいと思ったわたしは、彼の胸に両手を押し当てた。
「真澄さん。そろそろ出勤の時間です」
「ああ、そうだな」
気持ちが通じたのか、わたしの体に巻き付いていた真澄さんの腕が、名残惜しそうに解かれていく。
「今日もチャラ男の愛川先生でご出勤ですか?」
少し意地悪して聞いてみる。
「言うようになったな。まあ俺にもいろいろとあるんだ」
「いろいろですか?」
「ああ、いろいろだ。でもいつかちゃんと話す。それまで俺のことを信じて待ってろ」
「待ってろって。こういう時は普通、待っててくれないか?ってお願いするんじゃないんですか?」
ちょっと偉そうに腕を組んでそう言うと、真澄さんがわたしの額をピンッと弾いた。
「偉そうに」
「痛いじゃないですか! 暴力反対!」
ツンと痛む額を擦りながら、そう目でも訴えてみた。
「わかったわかった。じゃあ今晩反省の意を込めて、うんと甘やかしてやる」
でも真澄さんからの反応は予想と違っていて。耳をかすめるように甘い言葉を囁くと「じゃあな」とひと言残し、その場から離れていった。
「もう! なんなのよ!」
真面目なのかチャラいのか。今日の真澄さんは、いまいち掴みどころがわからない。