【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
それから一週間後。
よく晴れた天気のいい日を見計らい、出掛けることを決めた。
美智子おばちゃんは「一緒に行こうか?」と気遣ってくれたが、それを「ううん、大丈夫」とやんわりと断った。
美智子おばちゃんの家から母と暮らした家までは、歩いて十五分。昨晩はぐっすり眠れて、足取りも軽い。
こっちに帰ってきてからというもの眠れない日が続いた。でもそれも、伯母夫婦との穏やかな日々に心が癒やされたのか、二日前から眠れるようになった。
気分も軽くお気に入りの歌を口ずさみながら、緩やかな坂道を一歩一歩踏みしめ進む。雑木林を抜け同級生の家を通り過ぎると、二本目の路地を曲がる。
と──。
田舎には似つかわしくない、真っ赤なスポーツカーが家の前に停まっていた。このあたりの人の車ではないと、緊張が全身を襲う。
誰?
見たことのない車に不安から足が止まっていると、運転席のドアが開いた。
「やあ、高梨さん」
「え? どうして……」
車の中から出てきた人物に、驚きを隠せない。