【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

「もっと早く来たかったんだけどね。やっと君の田舎の住所がわかった途端、立て続けに緊急オペが入っちゃってさ」
「田所先生……」
「話をしにきた。何の話かは、わかるよね?」

そう言われて、無理やり胸の奥に隠した“真澄さん”が、わたしの中に姿を現してしまう。

もしかしたら、ここまで真澄さんが来るかもしれない──そう思っていたけれど、まさか田所先生が来るなんて。

何も話すことなんてない!と突っぱねることは簡単だが、こんな田舎まで来てくれた田所先生を、何も話さないまま帰すのは忍びない。

それに田所先生は真澄さんの大親友だ。どんな話かわからないけれど、その話とやらを聞いておいたほうが、わたしの中のわだかまりがスッキリするような気がした。

真澄さんとのことは綺麗な思い出に──。

田所先生と話をする決心がつくと、彼の車の助手席に乗り込んだ。

走り出した車が向かったのは、美智子おばちゃんに最近できたと聞いた駅近くのカフェ。

店員さんに勧められたシフォンケーキとカフェオレを注文すると、ため息混じりに目の前に座る田所先生を見た。


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