【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
真澄さんの“あの”騒動から二ヶ月、あと数日で四月といううららかな日和。
季節は春本番を迎え薄い桃色の花びらをつけたソメイヨシノが、マンションの窓からもよく見えて心を豊かにしてくれる。
わたしはと言えば。無事に愛華総合病院へと戻り今も受付スタッフとして働いていて、とくに変わりのない生活を送っている。
真澄さんとは相変わらずで、今朝のようなやり取りを毎日繰り返す日々。でも“あの”騒動以降、隠し事はしないでなんでも話してくれるようになったのは良い収穫だ。
そして──。
予約されていたプロポーズは、三月に入ってすぐ。誰も居ない病院のロビーで、朝の清らかな光を浴びながら。まるで王子様がそうするように、片膝をついて指輪を差し出しながらロマンチックなプロポーズを受けた。
もちろん、返事はイエス。『よろしくお願いします』と、指輪を薬指にはめてもらい甘い口づけを交わしたのを、今でも昨日のことのようにハッキリと覚えている。
そして今日は、真澄さんのご両親との初顔合わせ。院長のご自宅にお邪魔して、昼食を取る予定になっている。