【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
母はいつも笑いながらそう言って、毎日のように部屋中をくまなく掃除していた。
そんな母を見て育ったわたしは当たり前のように掃除好きとなってしまい、今住んでいるアパートの部屋はいつもピカピカだ。
でも何故か、なかなか幸せが寄ってきてくれない。
二十四年間、彼氏なし。好きになった人には彼氏がいたり、奥さんがいたり。見る目はあると思うけれど、どうやらそっち方面の幸せに見放されているようだった。
「別にいいんだけどね」
「え? 何がいいの?」
突然耳元で声がして驚いたわたしは、「わあぁぁっ!?」と思いっきり大きな声を出して飛び上がってしまった。
「そんな大声出して驚くことないのに」
「乙葉さん! 驚かすのは禁止だって、何度言ったらわかるんですか! 心臓に悪いです!」
「蘭子、ここ病院。優秀なドクターがいっぱいいるから、何かあっても大丈夫」
そう言いながらわたしの肩を叩き笑っているのは、二歳年上の先輩の真木野乙葉(まきのおとは)さん。面倒見のいい優しい先輩だが、調子いいのが玉に瑕だったりする。
わたしのことをおもちゃとでも思っているのか、いつもこうやってからかっては楽しんでいるから困りものだ。
「乙葉さんがここにいるって言うことは、もうすぐ八時ですか?」
振り返り柱時計を見ると、あと五分で八時になろうとしていて、慌てて掃除道具を片付け始めた。
そんな母を見て育ったわたしは当たり前のように掃除好きとなってしまい、今住んでいるアパートの部屋はいつもピカピカだ。
でも何故か、なかなか幸せが寄ってきてくれない。
二十四年間、彼氏なし。好きになった人には彼氏がいたり、奥さんがいたり。見る目はあると思うけれど、どうやらそっち方面の幸せに見放されているようだった。
「別にいいんだけどね」
「え? 何がいいの?」
突然耳元で声がして驚いたわたしは、「わあぁぁっ!?」と思いっきり大きな声を出して飛び上がってしまった。
「そんな大声出して驚くことないのに」
「乙葉さん! 驚かすのは禁止だって、何度言ったらわかるんですか! 心臓に悪いです!」
「蘭子、ここ病院。優秀なドクターがいっぱいいるから、何かあっても大丈夫」
そう言いながらわたしの肩を叩き笑っているのは、二歳年上の先輩の真木野乙葉(まきのおとは)さん。面倒見のいい優しい先輩だが、調子いいのが玉に瑕だったりする。
わたしのことをおもちゃとでも思っているのか、いつもこうやってからかっては楽しんでいるから困りものだ。
「乙葉さんがここにいるって言うことは、もうすぐ八時ですか?」
振り返り柱時計を見ると、あと五分で八時になろうとしていて、慌てて掃除道具を片付け始めた。