【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「乙葉さん。複合機の紙の補充、お願いしてもいいですか?」
「オッケー」
ひとつ仕事を乙葉さんに任せ、続々と出勤してくるスタッフに挨拶をすると、わたしも業務の準備に取り掛かった。
と、正面玄関では施錠が解かれ、患者さんが続々と入ってきる。ロビーはあっという間に賑やかになり、あちらこちらで話の花が咲き始めた。
「急がなきゃ」
わたしたち受付スタッフは八時十五分からの朝礼までに、受付で使うものの準備や補充をしなくてはいけない。せわしなく動き回っていると、ロビーがにわかに騒がしくなる。
「プリンスが来たわよ!」
スタッフの声に顔を上げれば、患者さんに囲まれている口腔外科医の愛川の姿が見えた。
今日も来たか……。
本名は愛川真澄(あいかわますみ)、通称プリンス。
長身でスラッとした出で立ち、耳上と襟足が短くカットされたセイムレイヤーの黒髪は好印象で清潔感があり、綺麗なラインの眉に二重の切れ長の目はまさしく王子様そのもの。
『この人こそが私のプリンス、王子様よ!』
と入院患者さんが言ったとかで、プリンスと呼ばれるようになったらしい。
乙葉さんの情報だからどこまでが本当かはわからないけれど、愛佳総合病院一番の人気者なのは間違いない。
相変わらずの人気ぶりで、愛川先生が動いたり喋ったりするだけで歓声が上がった。
ここはアイドルの、コンサート会場じゃないんですけど……。
わたしは心の中で不満を漏らし、さっさと自分の持ち場へと向かった。
「オッケー」
ひとつ仕事を乙葉さんに任せ、続々と出勤してくるスタッフに挨拶をすると、わたしも業務の準備に取り掛かった。
と、正面玄関では施錠が解かれ、患者さんが続々と入ってきる。ロビーはあっという間に賑やかになり、あちらこちらで話の花が咲き始めた。
「急がなきゃ」
わたしたち受付スタッフは八時十五分からの朝礼までに、受付で使うものの準備や補充をしなくてはいけない。せわしなく動き回っていると、ロビーがにわかに騒がしくなる。
「プリンスが来たわよ!」
スタッフの声に顔を上げれば、患者さんに囲まれている口腔外科医の愛川の姿が見えた。
今日も来たか……。
本名は愛川真澄(あいかわますみ)、通称プリンス。
長身でスラッとした出で立ち、耳上と襟足が短くカットされたセイムレイヤーの黒髪は好印象で清潔感があり、綺麗なラインの眉に二重の切れ長の目はまさしく王子様そのもの。
『この人こそが私のプリンス、王子様よ!』
と入院患者さんが言ったとかで、プリンスと呼ばれるようになったらしい。
乙葉さんの情報だからどこまでが本当かはわからないけれど、愛佳総合病院一番の人気者なのは間違いない。
相変わらずの人気ぶりで、愛川先生が動いたり喋ったりするだけで歓声が上がった。
ここはアイドルの、コンサート会場じゃないんですけど……。
わたしは心の中で不満を漏らし、さっさと自分の持ち場へと向かった。