【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「そこにエプロンがあるから使って」
「あ、はい! ありがとうございます」
くるっと後ろを向き指さされた場所を見れば、可愛い柄のエプロンが掛けてあった。と、すぐ頭の中に『これは愛川先生のものじゃない』という言葉が浮かんだ。
果たしてこれが誰のものなのか──
人のことをあれこれ詮索するのは嫌いだが、何故かこのエプロンは気になって仕方がない。しばらくそれを手にしたままじっと考え込んでいたが、愛川先生の動く気配に自分を取り戻し、無粋な想像を頭をブルブルと振って追い払った。
そうよ。このエプロンが誰のだろうと、私には関係ないじゃない!
気にしていないふりをしてエプロンを身につけ、シンクの前に立つ。レバーハンドルを上げると、冷たい水が勢いよく飛び出した。
冬の時期の水はとても冷たい。まるで氷水のようだ。
でも新鮮な野菜をお湯で洗うわけにもいかず、我慢して洗っていると、愛川先生に水を止められ両手をボールの中から掬い上げられてしまった。
「水耕栽培の野菜だ、さっと洗えばいい。指先が赤くなってるじゃないか」
「え? あぁ、そうですね。でもこんなのいつものことで、全然大丈夫ですから……」
そう言いながら目線を下げる。指先が赤くなった手は、ぬくもりを分け与えるように愛川先生に握られたままだ。
「あ、はい! ありがとうございます」
くるっと後ろを向き指さされた場所を見れば、可愛い柄のエプロンが掛けてあった。と、すぐ頭の中に『これは愛川先生のものじゃない』という言葉が浮かんだ。
果たしてこれが誰のものなのか──
人のことをあれこれ詮索するのは嫌いだが、何故かこのエプロンは気になって仕方がない。しばらくそれを手にしたままじっと考え込んでいたが、愛川先生の動く気配に自分を取り戻し、無粋な想像を頭をブルブルと振って追い払った。
そうよ。このエプロンが誰のだろうと、私には関係ないじゃない!
気にしていないふりをしてエプロンを身につけ、シンクの前に立つ。レバーハンドルを上げると、冷たい水が勢いよく飛び出した。
冬の時期の水はとても冷たい。まるで氷水のようだ。
でも新鮮な野菜をお湯で洗うわけにもいかず、我慢して洗っていると、愛川先生に水を止められ両手をボールの中から掬い上げられてしまった。
「水耕栽培の野菜だ、さっと洗えばいい。指先が赤くなってるじゃないか」
「え? あぁ、そうですね。でもこんなのいつものことで、全然大丈夫ですから……」
そう言いながら目線を下げる。指先が赤くなった手は、ぬくもりを分け与えるように愛川先生に握られたままだ。