【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
離さなきゃと思うのに、照れくさい? 恥ずかしい? でもちょっと嬉しい?
いろいろな感情がごちゃまぜになって、どうすることが一番いいのかわからなくなってしまった。
「な、なんだ。水耕栽培なら水耕栽培って、早く教えてくれればよかったじゃないですか」
心臓の音がうるさい。こんなこと初めてだ。
それを誤魔化すように早口で話しもじもじしていると、ふっと笑い声が聞こえ顔を上げた。
「手を触ったくらいで顔が赤くなるなんて、蘭子って可愛いいんだな」
また可愛いって言った。きっと口癖なんだ。前に付き合っていた彼女が可愛い人で、いつもそう言って愛でていたに違いない。
「そんな心にもないこと言わないでください。わたしが真に受けたら、どうするんですか?」
わたしだって女なんだし、可愛いと言われれば嬉しくないわけじゃない。ただ言われ慣れてないし、言ったのが愛川先生だから、ちょっと信用できないだけ。
もうこの話は終わりと勝手に決めると、ボールの中にあるレタスとトマトをザルの上に取り出した。
「レタスは手でちぎっていいですか?」
そう言いながら顔を上げ振り向くと、愛川先生の顔が目の前にあった。
「えっ」と思う間もなく、唇に何かが触れた。
いや、何かじゃない。間違いなく愛川先生の唇──
突然の出来事に何が起こったのかわからない。ただ黙って呆然と、愛川先生の顔を見つめた。
いろいろな感情がごちゃまぜになって、どうすることが一番いいのかわからなくなってしまった。
「な、なんだ。水耕栽培なら水耕栽培って、早く教えてくれればよかったじゃないですか」
心臓の音がうるさい。こんなこと初めてだ。
それを誤魔化すように早口で話しもじもじしていると、ふっと笑い声が聞こえ顔を上げた。
「手を触ったくらいで顔が赤くなるなんて、蘭子って可愛いいんだな」
また可愛いって言った。きっと口癖なんだ。前に付き合っていた彼女が可愛い人で、いつもそう言って愛でていたに違いない。
「そんな心にもないこと言わないでください。わたしが真に受けたら、どうするんですか?」
わたしだって女なんだし、可愛いと言われれば嬉しくないわけじゃない。ただ言われ慣れてないし、言ったのが愛川先生だから、ちょっと信用できないだけ。
もうこの話は終わりと勝手に決めると、ボールの中にあるレタスとトマトをザルの上に取り出した。
「レタスは手でちぎっていいですか?」
そう言いながら顔を上げ振り向くと、愛川先生の顔が目の前にあった。
「えっ」と思う間もなく、唇に何かが触れた。
いや、何かじゃない。間違いなく愛川先生の唇──
突然の出来事に何が起こったのかわからない。ただ黙って呆然と、愛川先生の顔を見つめた。