【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
愛川先生の方はと言えばいつものごとく受付カウンターへとやってきて、満面の笑みでスタッフひとりひとりと朝の挨拶を始めた。
ここ総合受付内でも愛川先生の人気は絶大で、特に新人スタッフたちは毎日プリンス争奪戦を繰り広げている。
毎日飽きもせず、ご苦労さまなこと。
その様子を横目で見ながら準備をしていると、わたしの前に愛川先生が現れた。
「高梨さん、おはよう」
愛川先生は満面の笑みで挨拶をすると、カウンターから身を乗り出す。わたしはそれを露骨に交わし、カウンターから少し離れた。
「おはようございます」
「その態度、傷つくなあ。高梨さん、俺のこと嫌い?」
そう問われた蘭わたしは慌てて口に手を当てると、『はい、嫌いです』と言いそうになるのを堪えた。
嫌いというのは語弊があるか──
そう思うのに口というものは不思議なもので、考えていることとは違うことを、私の意思を無視して勝手に話してしまうことがある。
生まれてこの方、一度もお付き合いをしたことがないわたしは、男性が嫌いなのではなく苦手だった。とくに愛川先生のように誰とでもフレンドリーでグイグイ来るチャラ男が、一番苦手とするタイプなのだ。
『俺のこと嫌い?』なんて男性から聞かれたこともなければ、その質問に答えるノーハウも持ち合わせていない。でも目の前には、わたしからどんな答えが返ってくるのかと、好奇の目をして待っている愛川先生がいた。
ここ総合受付内でも愛川先生の人気は絶大で、特に新人スタッフたちは毎日プリンス争奪戦を繰り広げている。
毎日飽きもせず、ご苦労さまなこと。
その様子を横目で見ながら準備をしていると、わたしの前に愛川先生が現れた。
「高梨さん、おはよう」
愛川先生は満面の笑みで挨拶をすると、カウンターから身を乗り出す。わたしはそれを露骨に交わし、カウンターから少し離れた。
「おはようございます」
「その態度、傷つくなあ。高梨さん、俺のこと嫌い?」
そう問われた蘭わたしは慌てて口に手を当てると、『はい、嫌いです』と言いそうになるのを堪えた。
嫌いというのは語弊があるか──
そう思うのに口というものは不思議なもので、考えていることとは違うことを、私の意思を無視して勝手に話してしまうことがある。
生まれてこの方、一度もお付き合いをしたことがないわたしは、男性が嫌いなのではなく苦手だった。とくに愛川先生のように誰とでもフレンドリーでグイグイ来るチャラ男が、一番苦手とするタイプなのだ。
『俺のこと嫌い?』なんて男性から聞かれたこともなければ、その質問に答えるノーハウも持ち合わせていない。でも目の前には、わたしからどんな答えが返ってくるのかと、好奇の目をして待っている愛川先生がいた。