【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「ふ、普通そういうこと、面と向かって言います?」
「じゃあ何か、蘭子は大人だって言いたいのか? まだ男と付き合ったこともないのに」
「そういうことを言ってるんじゃなくて!」
この人は何を言ってるの? わたしは色恋のこと言ってるんじゃなくて、年齢とか経験とかそういうことを言っているだけなのに。
真澄さんは意地悪だ。大っきらい!!
「お待たせしました」
タイミングが良いのか悪いのか、注文した生姜焼き定食と唐揚げ定食が運ばれてきた。
「い、いただきます!」
わたしは注文した唐揚げをかぶりつき、むしゃむしゃと大口開けて食べ始めた。こういうところが子供なんだとわかっていても、真澄さんの言葉についつい過剰反応してしまう。
ダメだな、わたし……。
「蘭子」
名前を呼ばれ唐揚げを咥えたまま顔を上げる。と、テーブルの向こうから真澄さんが手を伸ばし、わたしの頭をクシャッと撫でた。
「心配するな。すぐに蘭子を大人の女にしてやる」
その言葉に、急に鼓動が速くなる。綺麗な目にまっすぐ見つめられて、ドキドキが止まらない。
「な、なに言ってるんですか。真澄さんったら、あは、あはははは……」
冗談も大概にしてもらいたい。
大人の女にしてやる? そんなこと言って、わたしが「はい、お願いします」と言うとでも思ってるの? おかしなことを言う人だ。