【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
真澄さんは放っといて2つ目の唐揚げを頬張ると、手元に影ができて何事かと顔を上げた。
「よっ、おふたりさん」
「えぇ!? 先生、どうしてここに?」
そこに立っていたのは外科の田所先生。まさかの人の登場に慌てたわたしは、食べていた唐揚げをポロッと落としてしまう。
「蘭子、落ちたぞ」
そんなこと、言われなくてもわかってる。そんなことより、この危機的状況はどうするの?
田所先生は、わたしの事情を何もしらない。そんな先生がわたしと真澄さんが一緒にいるところを見れば、勘違いするじゃない! どうするの、真澄さん!!
必死に目でそう訴えても、真澄さんは気づかないのか一ミリも変化なし。
ふたりでいるところを見られたというのに、どうしてそんなに平然としていられるの?
わたしの心を知ってか知らずか、真澄さんは軽く手を上げ田所先生と挨拶を交わしている。
「真司、遅かったな」
「悪い。あの後、急患が入ってさ」
田所先生はそう言いながら真澄さんの隣に座り、わたしの顔を見てニッコリと笑った。
「高梨さん、こんばんは。今晩も冷えるね」
「こ、こんばんは……」
この展開についていけないわたしは、呆然とするばかり。