【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

「寝床変えたって、ベッドでも買ったの?」
「え?」

ベッドという単語にすかさず反応してしまい、目があっちこっちへと泳いでしまう。

「何よ、そんなに動揺しちゃって。さては、男でもできたか?」

乙葉さんは顔を近づけ、疑惑の目でわたしを見つめた。

「お、おとこ? 乙葉さん、何言っちゃってるんですか? わたしに男? ないない、ないですよ~。そんな人がいたら、真っ先に乙葉さんに話してますって。わたしが嘘言ってるように見えます。こんな純粋な目してるんですよ」

うん、わたしにしてはよく誤魔化せたんじゃない?

なんとか芝居がからず上手くいった──そう思っていたのに、乙葉さんは疑いの目を濃くしてわたしを見ている。

「蘭子が饒舌になる時は何か隠し事があるときだって、わたしが知らないとでも思ってるの?」
「か、隠しごと? ななななんのことでしょうか?」

せっかく上手くいったと思っていたのに、乙葉さんに迫られて動揺丸見え。これじゃあ男ができましたと言っているようなものだ。

慌てるわたしを見て乙葉さんはしたり顔をしているし、これはもう背水の陣。このままでは真澄さんのことを、洗いざらい喋らされてしまうのは時間の問題だろう。



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