【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

「愛川先生のところで、お世話になってます」
「は? 愛川先生って、口腔外科の愛川先生?」
「そう。その愛川先生」

乙葉さんはぽかんと口を開け、手にしていた箸を落としそうになる。

「はい、焼きそばと日替わり定食」

同時におばちゃんが注文した料理を運んできて、乙葉さんはそのまま首だけ動かしおばちゃんを見た。

「お水、もう一杯ください」

そう言って出したコップの中には、まだ水がなみなみと入っている。

「おかしな子だねぇ」

おばちゃんに笑われると、乙葉さんはその視線をまたわたしに戻した。

「あんたと愛川先生って、付き合ってたの?」
「付き合ってませんよ。乙葉さんも知ってるじゃないですか、わたしが愛川先生を苦手だってこと」
「じゃあなんで、愛川先生のところで暮らしてるのよ」

それもそうだ。

説明不足だったと火事の後に起こったことを事細かく全部話し、乙葉さんの疑問を解消させた。

「偶然ってことね」
「はい。その後、いいところがあるからって言われてついて行ったら、愛川先生のマンションで。時間も時間だし、他に行くところもなくて」
「愛川先生のマンションで暮らすことになったと。そういうことね?」

うんうんと頷くと、やっと焼きそばにありつけた。



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