【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
乙葉さんの興味津々の目をかわし、残っていた焼きそばを口いっぱいに頬張った。それを水で喉の奥に流し込むと、小さく息を吐いた。
「よく、わかんないんです。まだ一緒に暮らし始めて三日ですよ? 騙されたようにマンションに連れて行かれた時は腹も立ったし最低なんて思ったけど、今は真澄さんのペースに巻き込まれてもさほど嫌とは思わなくて。彼の言動に一喜一憂してる自分の、この気持がなんなのか……」
「自分の気持ちに素直になればいいのよ」
乙葉さんの優しい言い方に、その言葉の意味を考えてみる。
「恋ってね、そんなに難しいものじゃないと思うよ。キスしたいと思ったらキスすればいいし、エッチしたいと思ったら彼を受け入れれば良いんじゃない?」
「エ、エッチ!? そんなこと、しませんよ!」
「でも一緒に寝てるんでしょ? 愛川先生は蘭子のことが好きなんだし、時間の問題だと思うけど」
「そんなもんなんですか?」
「ま、わたしの場合は男とベッドに入る=ヤる、だけどね」
それはそれで、節操がなさすぎるんじゃないだろうか。
……と心の中でつぶやく。