【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「真澄さんに好きって言われたから、気になってるだけってことはない?」
「もしそうだとしても、それが恋への入り口……だとわたしは思うけど? カチコチの頭柔らかくして、もっと簡単に愛川先生との生活を楽しんでみたら?」
「カチコチの頭って……」
もっと他の言い方はないものか。でも乙葉さんの言葉が胸の奥に染み込んでいくと、スーッと心が軽くなる。
この先自分の気持ちがどうなるかわからないけれど、乙葉さんの言ったとおり、真澄さんとの生活を楽しんでみよう。そうすれば、自ずと答えは出てくれる?
「おばちゃん。クリームソーダひとつ!」
モヤモヤしていたものが消えたら、焼きそばを食べたばかりなのにお腹が空いた。
「あ、わたしも! 今日は全部、蘭子のおごりだって!」
「えぇ!? もう、しょうがないなぁ」
「蘭子、スッキリした顔してる。持つべきものは、頼りになる先輩でしょ?」
乙葉さんはそう言うと、腕を伸ばしてわたしの頭に手を置いた。
「まあ、頑張って」
何をどう頑張ればいいのかそこはよくわからないけれど、私の少し未来は明るくなりそうだ。
運ばれてきた緑色のクリームソーダを飲むと心の中が爽やかに弾け、口元が自然とほころんだ。