終わりは始まりか ~私達の場合~
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「では挨拶はこれぐらいで、後は宮園さんと個々でお話しして下さい。」

この言葉が私のために響いている事に、まだ不思議な感じだ。

「地元に帰って何をするんですか?」

そんな声に私は曖昧に笑ってごまかす。

思ったよりも大掛かりな私の送別会に、自分も驚いている。

大学を卒業して8年、私は30歳を迎える年にこの大手ハウスメーカーを退職する。

インテリアコーディネーターの資格を取得していた為、幸いな事に再就職の話はたくさんあったが…。

「宮園さんの仕事の引継ぎが大変です。」

あちこちで部下にそんな声を投げかけられる。

どうやら私は自分の気が付かないうちに、仕事の出来る女になっていたらしい。

確かに最近は会社内で一緒に仕事がしたいとの指名も多かったな。

そんな事を冷静に思う私は、仕事をこなす事にただ必死だったのだ。

今日は私が属しているインテリアの部門だけではなく、設計や監督の部門の人まで集まってきているそうだ。

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