終わりは始まりか ~私達の場合~
「ありがとう。いつでも助けてもらってばかりでごめんね。」

私は伊吹を見つめる。

「謝るな。それは俺の中では当たり前の事なんだから。」

何とも言えない弱々しい表情を私に向ける伊吹。

「…でも結局は何もしてやれなくって情けないよ。」

「ううん、そんなことない。」

私がそう言った瞬間、倉庫のドアをたたく音が聞こえた。

「美月さん、居ますか?陽輝くんが…。」

それは麻生くんの声。

私と伊吹は顔を見合わすと、慌ててドアを開ける。

「麻生くん、陽輝がどうしたの?」

ドアの向こうには、陽輝を抱いた麻生くん。

「お母さんを探し始めて…。」

私は麻生くんから陽輝を受け取ったが…。

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