終わりは始まりか ~私達の場合~
そろそろ一週間が経つという頃、陽輝とお父さんが眠ったその夜、リビングで麻生くんと二人になった。

「美月さん。」

麻生くんはバスタオルで頭を拭きながら、私の名前を呼んだ。

「俺、明日帰ります。」

そんな麻生くんの言葉に、思ったよりダメージを感じる私。

分かっていたはずなのに、こんな風に言われると戸惑う。

「そう、それが良いわね。」

私は冷静な表情で、麻生くんに伝える事が出来ただろうか。

すると麻生くんは立ち上がって、私の横に座り直す。

「また来ますから。」

そう言って、麻生くんは私にキスをした。

初めて事務所に入れた夜以来、麻生くんはそんな素振りを見せなかったから、完全に油断をしていた。

「少しは寂しいですか?」

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