終わりは始まりか ~私達の場合~
13
「今晩は。」

金曜日の夜、聞き慣れた声が玄関でする。

その声に反応して、パジャマ姿の陽輝が小走りに走り出す。

私がそれに追い付いて、玄関ドアを開ける。

もちろん、その向こうに居たのは…。

「どうしたの?麻生くん。」

私はついさっきまでもう会う事はないだろうと思っていたその顔をまじまじと見る。

「また来るって言ったでしょう?」

あまりにも普通の感じで、麻生くんはそんな事を言う。

それにしても早過ぎない?

そんな言葉が喉まで出かかった。

「陽輝くん、お出迎えありがとう。」

そして当たり前のように麻生くんは陽輝の頭を撫でる。

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