終わりは始まりか　～私達の場合～
「これからは金曜日に会社が終わった後、ここへ直行します。そして日曜日に夕飯をみんなで済ませてから帰ります。」

私は麻生くんの言葉が、とっさには理解出来なかった。

「おう、麻生くん。また手伝いに来てくれたのか？」

お父さんはすごく嬉しそうに言った。

そう、麻生くんが帰ってから、私達はあたふたしていたのだ。

この数日、小さなトラブルが重なって、私が現場へ行く時間を取られてしまって、ギリギリのところで作業をしていたのだ。

昨日なんて、伊吹が陽輝を夜寝かせつけてくれたぐらいだった。

「はい、これから毎週末にはここへ来ますから。」

そんな麻生くんの言葉に私はあっけに取られる。

「会社だって忙しい時期でしょう？休日出勤もしたいぐらい時間が惜しいはずだわ。」

思わず私は大きな声を出してしまった。

「それは俺がちゃんと仕事をこなせれば問題ない事です。」

麻生くんはムッとした顔で私を見る。

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