終わりは始まりか ~私達の場合~
私はその気持ちに戸惑いながら、自分の中で持て余している事に気づく。

私はどうしたいんだろう…。

壁にもたれながら、私は視線を上の方へ向けた。

思わず深いため息が出る。

頭の中で考えている事と心で感じてしまう事の隔たりが大きすぎる。

「美月、どうした?」

お父さんが私を呼んでいる。

「今、行くよ。」

私は自分なりに表情を選んでいる。

どんな顔をしてリビングに行くのが正解なんだろうか。

私は諦めたように首を振ると、リビングに向かう。

すると陽輝が私に飛び込んで来た。

「少し眠たいようで、ぐずり始めています。」

麻生くんが私にそう言った。

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