終わりは始まりか ~私達の場合~
若いな~、計算すると23歳?それとももう24歳になったのかしら。

まだまだやりたい仕事を思い描きながら、仕事自身が楽しくなっていくんだろうな。

私にもそんな時があったな。

「宮園さん、どうしました?」

私が我に返ると、すぐ目の前に麻生くんの顔があった。

私が思わず顔を背けようとした時…。

「どういうこと?」

「何となくキスしたくなって。」

麻生くんはさらっとそんな事を言って、一瞬私から目を逸らした。

「若いくせに生意気ね。」

私はクスリと笑う。

「宮園さんこそ、女のくせに生意気だ。」

どちらともなく声を出して笑い出す。

「嬉しいわ。会社では気を遣われてばかりで、特に最近は面白くなかったんだもの。」

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