終わりは始まりか ~私達の場合~
「はいはい。」

軽く伊吹をいなす私もいつもの事だ。

「でも陽輝がさ、もっとしゃべるようになって俺の事を認めたらどうするんだ?」

「ん?認めるって?」

私は伊吹の言っている意味が分からなくて首をかしげる。

「陽輝が大きくなって、俺にお父さんになってほしいと言ったら、美月はどうするんだ?」

伊吹がニヤリと笑う。

その表情は…、とても楽しそうだ。

「有り得ないわよ。」

私は伊吹にそう返事をした。

「それは絶対とは言い切れないだろ。その時が来るまで、せいぜいどう返事するか悩むんだな。」

なかなか伊吹はしつこい。

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