終わりは始まりか ～私達の場合～

佐藤さんがそんな事を思っていたなんて。

「自分が情けなくって、どうしようもなかったよ。送別会の時にはっきり悟った。宮園の中にはこれっぽっちも俺はいないんだなって。」

もう私には返す言葉が見つからない。

「だから俺は麻生の邪魔をする。」

佐藤さんが意外な事を言った。

「麻生にお前の相手が務まるはずがない。」

「あの…ですね、佐藤さん。私達はそんな関係ではないんですよ。」

私は慌てて否定する。

「麻生を見ていたら分かるに決まっているだろう。あいつが仕事を頑張っている理由は宮園以外に理由はない。しかも身体まで壊して…。宮園が麻生の事をどう思っているのかは分からないが、麻生は間違いなくお前しか見えていない。」

そして佐藤さんは何度目かの溜息をつく。

「まるであの時までの俺の姿だ。」