終わりは始まりか ~私達の場合~
私はそんな麻生くんを避けて、歩いて行こうとしたが…。

やっぱりうまく歩けなくて、麻生くんの背中になだれ込む。

「良いですか、立ちますよ。」

麻生くんは私をおんぶして、軽々と歩き出す。

凄く恥ずかしかったけれど、麻生くんの広い背中はなかなか心地よかった。

「ごめんね。昔はこれぐらいの量では全然大丈夫だったんだけど。」

麻生くんが笑って、それが背中を通して私に伝わる。

「そんな言い訳は要りませんよ。俺は美月さんを直に感じる事が出来てラッキーです。」

麻生くんはご機嫌そうに歩いて行く。

その揺れがとても心地いい。

ちょっとウトウトとしかけた時…。

「眠ってしまいましたか?」

麻生くんにそう聞かれたけれど、返事をする事が面倒で寝たふりをした。

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