終わりは始まりか ~私達の場合~
お母さんはそう言いながら、コーヒーを出してくれた。

「俺がインテリアの方はからっきしだからな。」

お父さんが恥ずかしそうに笑う。

「私が何組かの施主さんの打ち合わせをキャンセルしちゃったから。」

お母さんは申し訳なさそうな表情をする。

お父さんが設計、お母さんは内装も含めたインテリアを担当している。

「もう私が居るから大丈夫よ。上手に予定を組んでよ。」

私がお母さんに視線を向ける。

「家の事は任せてもらって大丈夫。ゆっくりならこなせるから。だから美月は…。」

「分かったわよ。しばらくは仕事に専念させてもらうから。こっちの生活に慣れてきたら、家事も手伝うようにするから。」

するとお父さんは首を振る。

「それだけじゃないぞ。せっかく建築科を出ているんだから、当然設計も手伝ってもらうぞ。」

「そうなの?」

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