終わりは始まりか ~私達の場合~
すると私のスマホに着信が…。

私はその画面をじっと見て、目を一瞬閉じてから出た。

「もしもし、美月さんですか?返信が来たので、電話してもOKだと勝手に解釈させてもらいました。」

切羽詰ったその声は間違いなくあの時の声なのだが、随分様子が違う。

「あのね、私より優秀な人がそちらにはいっぱいいるでしょう?」

そう話しかけた私を麻生くんは遮った。

「そんな事はどうでもいいんです。俺は美月さんの意見をどうしても聞きたかったんです。インテリアが決まらないと、設計も決まらない状態なんです。」

「そんな事…、言っている事が逆じゃないの?」

私は呆れた声を出す。

それから麻生くんは延々と話し始めた。

それはすごく特殊な施主さん。

照明や家具をどうしてもあるブランドに揃えたいらしく、それに合わせて間取りの寸法も決めたいと言っているらしい。

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