終わりは始まりか ~私達の場合~
そしてそのブランドも北欧のもの。

日本のものと違って、大きさの規格や重量等もかなり特殊だ。

そう言えば…。

私はスマホを置いて移動する。

「美月さん?もしもし…。」

そんなスマホからの声を無視して、私はリビングに居たお母さんに聞いた。

「あの北欧のブランドの総合カタログがあったよね?」

「ええ、事務所の本棚だけど、それはひとつ前のものだと思うわ。」

「良いの。大体の事が分れば。」

私はごにょごにょと言葉を濁しながら、カタログを手に自分の部屋に戻る。

「もしもし、麻生くん。」

私はそのカタログを覗きながら、話の続きをする。

「切られなくて良かった。」

そんな麻生くんの言葉をよそに、私は思わず眉間にしわを寄せる。

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