終わりは始まりか ~私達の場合~
「今カタログを持ってきたんだけど…、なかなか大変そうね。それより間取りの図面は?」

スマホの向こうの声が少し弾んだような気がする。

「見にくいかもしれませんが、手書きの図面を送ります。…ラインでも良いですか?本当はパソコンで送りたかったんですけど。」

私は大げさに息を吐いた。

これでラインの連絡がいつでも出来るようになってしまう。

「了解。」

それが送られてくると、私達はお互いに思っている事をぶつけ合う。

麻生くんはなかなかの意見をしっかり持っていて…。

「ねえ、別に私に意見を求めなくても大丈夫だったんじゃないの?」

思わず私はそんな事をつぶやく。

「だってちゃんと自分の意見をまとめてからじゃないと、対等に美月さんの意見を聞けないじゃないですか。それでも美月さんのいう事は俺が考えも及ばない注意点もあって、悔しいくらいです。それに…。」

麻生くんはさっきの私のように大きく息を吐いた。

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