終わりは始まりか ～私達の場合～

麻生くんは私の気持ちを上手にノックする。

「…拒んだりはしないわよ。でも私に余裕がない時は邪険に扱ってしまうかもしれないよ？」

すると麻生くんはクスリと笑った。

「その時は俺が美月さんの愚痴を聞きますよ。それでおあいこという事でどうですか？」

麻生くんって…。

「私の気持ちが麻生くんには透けて見えるのかしら？」

私は意味不明なセリフをぽろりとこぼした。

「だから言ったでしょう？感性が似ているんだと思いますよ、俺達。」

「それは仕事の事じゃないの？」

どうして麻生くんと話をしていると、私は口数が多くなるんだろう。

「すべてですよ。…あえて言うなら、身体の方も。美月さんはそう感じませんでしたか？」

私はぐっと押し黙る。