終わりは始まりか ~私達の場合~
確かに見に行きたいと思うだけの現場だ。

でも…。

「まあね、でもやっぱり無理だわ、きっと。」

「俺とはそんなに会いたくないですか?」

麻生くんらしい返しだ。

「そういう事にしておいて。あまり前の会社の人とは会いたくないんだ。」

私は取ってつけたような返事をする。

「美月さん?」

少しムッとしているような麻生くんの声。

こんな時のためと言っては何だが、麻生くんにはこちらの情報は一切伝えていない。

「何よ?」

「俺を会社の関係でひとくくりにするつもりですか?」

「それ以外に私達に何があるの?」

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