終わりは始まりか ~私達の場合~
「じゃあ、お開きになったら一緒にお酒でも飲みに行きませんか?」

「えっ?」

「だって宮園さん、とてもつまらなそうな顔をしているから。」

「はっ?」

「最後の夜に飲み明かす相手に、俺では役不足ですか?」

「えっと…。」

さっきから私の心の中を見透かされているようだ。

「どうですか?」

私は苦笑いをした。

「…分かったわよ。終わったら待っていてよ。…その代わり、誰にも気が付かれないようにね。」

彼…、麻生くんはとても嬉しそうに笑った。

「絶対ですよ。」

何故かその笑顔に、ちょっと気持ちが動かされた。

どうせこの会が終わったら、一人で飲みに行こうと思っていた。

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