終わりは始まりか ~私達の場合~
そう…。
あれから何度も何度も麻生くんからのラインは来ていた。
つい最近も…。
私は一回も返信をした事はなかったが。
「俺は美月さんの愚痴を聞かなきゃいけないんです。」
今度は麻生くんがじろりと伊吹を見た。
「そうしないと美月さんはどんどん気持ちに余裕をなくして、自分を失くしてしまうんです。」
私は思わず両手で口を覆う。
どうして麻生くんには私の事が分ってしまうんだろう。
あの時に感じたこの感触。
「また前の表情に戻ってしまっていますよ、美月さん。」
そして私の手首をつかんで、麻生くんは私を引き寄せる。
「麻生くん!」
叫んだ私の声に、伊吹の声が重なる。
あれから何度も何度も麻生くんからのラインは来ていた。
つい最近も…。
私は一回も返信をした事はなかったが。
「俺は美月さんの愚痴を聞かなきゃいけないんです。」
今度は麻生くんがじろりと伊吹を見た。
「そうしないと美月さんはどんどん気持ちに余裕をなくして、自分を失くしてしまうんです。」
私は思わず両手で口を覆う。
どうして麻生くんには私の事が分ってしまうんだろう。
あの時に感じたこの感触。
「また前の表情に戻ってしまっていますよ、美月さん。」
そして私の手首をつかんで、麻生くんは私を引き寄せる。
「麻生くん!」
叫んだ私の声に、伊吹の声が重なる。