終わりは始まりか ~私達の場合~
「美月さんはどうしてあの時…、最後の電話の時、あんな態度を取ったんですか?ただ連絡を取っているだけで、それを断ち切らなければならない理由はなかったはずだ。」

ああ…、麻生くんは痛い所を突いてくる。

「私には有ったのよ、ただそれだけ。」

私はきっとしっくりと来ない不細工な表情をしているんだろう。

「じゃあ、何があったんですか?」

私の顔を真剣な表情で眺める麻生くん。

ああ…、きっと仕事が出来る男になったんだろうな。

良い顔している。

そんな思いがふと言葉になる。

「仕事の方はどうなの?」

私は何気なく視線を逸らした。

「美月さん、ちゃんと答えて下さい。」

麻生くんの表情が強張る。

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