終わりは始まりか ~私達の場合~
「これを見て下さい。」

麻生くんは鞄の中からファイルを取り出す。

「うわ~、良い感じに出来上がったのね。」

私達二人はそのファイルを覗き込む。

それは麻生くんから相談を受けた現場の写真。

「よくこの家具をこの空間に納めたわね。」

私はいつの間にか、夢中になって麻生くんに話しかけていた。

それに対して、麻生くんの説明が続いていく。

「ここの計算も本当に大変だったんですよ。」

二人の顔が同時にファイルから視線が離れ、思いがけず見つめ合う形となった私達。

「あっ…。」

麻生くんの唇が私の唇に静かに触れた。

まるであの時と同じだ…。

「どういうこと?」

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