終わりは始まりか ~私達の場合~
そして麻生くんは私から離れた。

「さあ、今日はここまでです。美月さんの家に案内してもらえますよね。俺は泊まる所は準備していないので。」

ああ、麻生くんはどこまで私の事を見透かしているんだろう。

きっと私が麻生くんを追い返せない事を十分に心得ているのだ。

「そう、仕方ないわね。」

私は明らかに落ち着かない。

胸がざわざわする。

でもそれを麻生くんに気づかれてはいけない。

何とか早く麻生くんには帰ってもらうしかない。

いろいろと考えると、気が重い。

まずはきっとあの事で…。

余計な事を言わないように、慎重に進めなくては。

私は大きく息を吐いた。











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